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すいか通販おすすめ|山形EDEN 就農物語⑥

すいか通販におすすめ!山形農家EDEN

※我妻飛鳥が担当記事です。

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4月1日に夫婦で就農した私たち。
そして私が3人目を出産したのはその真夜中でした。
就農したものの、出産入院中の私自身はたいしてその実感もなく、主人から今日はどんな作業をしたとか、何の種を撒いた、定植したとか話を聞く程度。
しかし、新しい世界に飛び込んだ不安と心配が拭えずなんとか子供たちを食わせていかなければという思いは常に頭にありました。

農作業自体はできないものの、産後は育児の合間をぬって参考書を片手に見よう見まねでホームページ作成にチャレンジ。
子どもが寝ている隙をみてはレシピ作成や畑の情報を更新して一般の生活者の方にまず農業を知ってもらい、生産者を身近に感じてもらえるように努めていました。
当時はすがすがしいほど全く手ごたえもなく、自分はなにをしているんだろう・・・とむなしさを覚えていましたが、それがのちに仕事の依頼やネットワーク作りにつながった部分もあったので、今となってはようやく無駄な努力ではなかったように感じています。

 すいか直送農家になるまで
6月も中旬になってくると農作業も主人だけでは手が回らず、私も少しずつ畑での作業もするように。
収穫期になると少しずつこなす農作業も増え、産後2ヵ月経った頃に保育園の入園が決まると、本格的に畑仕事をこなすようになりました。
それまでは祖母に交代で頼んだり、日中のお昼寝の合間などで寝ているかな・・・泣いているかな・・・と心配しながらそわそわ作業していたので、保育園に預けることができたことには心からホッとしました。

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しかしながら、私にとって就農1年目は未経験の事だらけの農業生活。
心の準備も覚悟も出来ていないまま迎えた果菜類の収穫期。
実りだしたら採っても採っても終わらないエンドレス収穫の毎日にビックリ!

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おまけに選別や箱詰めも若葉マークの私。
カンも経験も全くない為、時間がかかって次の収穫まで終わらずにどんどん貯まっていく恐ろしさ。。。
正直、地獄かと思いました。

仕事はきりなくどっさり溜まっていくのに、朝子供たちを学校に送り出し、保育園に預けてから夕方のお迎えまでの時間しか作業できない。
農家にとって作業しやすいゴールデンタイムが使えない・・・その穴埋めをどうするか。
と、なると昼休み返上して作業。
そして子供を寝かしつけた後の夜中に作業。
しかし、朝や夕方も夫は仕事をしているので頼れません。
家事育児は私一人でしなければならないので、授乳して上の子のご飯やお風呂、夫の帰宅時間に合わせてご飯出しなど、こちらもやることをあげたら本当にキリがなく、帰宅したらしたでそちらも戦場(のような感じ)で常に時間に追われる状態でした。

1日24時間じゃとても足りない・・・と思っていました。
とりあえず子供を寝せてから、再び小屋や家でできる範囲の選別や箱詰め作業。
夜中までかかってやっとひと段落、という頃に、おなかがすいて泣きだす赤ちゃん。。。
(天使のように可愛いのに)その時は正直、鬼かと思いました。

寝かしつけている時間がないので、おんぶしながら収穫や夜中の作業をすることも多々ありました。
そのくらい、本当に時間も心も余裕がなく、実際私が鬼のような形相をしていたのだろうと思います。

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夫は夫で畑で必死だったでしょうから、お互い必死。
お互い目先のやることに追われて他に頼りどころがなく、かなりピリピリ。
農業は明るく楽しく!美味しい野菜でみんなにも笑顔になってもらいたい!農業から笑顔を伝えたい!
という思いの野菜農園 笑伝ですが、1年目は私たちの笑顔が消えていました。

そして、最近腰が痛いなーと思っていたある日、急に腰痛が悪化して動けなくなり、立ち上がれなくなりました。
その痛みというか、力の入らない感じ。

起き上がれないのです。
家事はおろか、運転すらできない。

それが夫には伝わらなくて・・・
なんでこの忙しいときに!と、ため息をつかれながら言われた時には涙が出ました。

ただでさえ人手不足の時に労力が減ったら困るのはわかりますが、私も怠け心で動かないんじゃない。
心配より落乱されたのはショックで、本当の鬼はこいつか!!と、私は行き場のない怒りと憎しみでいっぱい。
その感情は私のオーラからものすごくにじみ出ていたらしく
「俺、嫁にいつ背後から刺されるかわからないな・・・」と度々言っていたほどです。(笑)

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1年目は本当にそんなこんなのドタバタ生活で、精神面・資金面でもなんとかかんとかどうにか生き抜いた感の方が強くあります。
そして、世の中は苦労と成果が決して比例するわけではないことも学びました。
それまで私は労働対価の会社員勤めだったわけですが、就農1年目、あれだけの苦労と努力をして手元に残るものがほとんどないという現実に直面し、農業(経営)の厳しさを知りました。
会社員と経営者側の思考の違いも感じることができました。
毎年学びがあり農業は奥深いと感じますが、最初の年は特に学びの年だったと思います。

どの職種でもそうだと思いますが、経験は最大の宝だと感じます。
他の仕事や会社でもよくベテランパートさんに助けられているという話を聞きますが、農業でも同じで、経験を積んで手に入れた“カン”や“感覚”は財産だと思います。
そして、そういうものを手に入れるために努力した期間の苦労や学び・経験が、自分の力や自信になっていくのではないかと今になれば思えます。
昔の人が「若いうちの苦労は買ってでもしろ」といっていたのは何となく納得できるようになったのは、当時の大きな学び。

続く。

 

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この記事を書いた人

野菜ソムリエプロ ASUKA

野菜ソムリエプロ ASUKA

EDENの農作物と一緒にぬくもりを、そして野菜ソムリエとしてちょっと役立つ情報をお届けいたします。4人の母で自分自身も消費者として家族の健康を考えた食事にも関心が高いです。